お知らせ

摂食嚥下の流れ

2020.11.02

目次

こんにちは。歯科医師の島野です。

今回は、摂食嚥下(せっしょくえんげ)についてお話をさせていただきます。

みなさんは摂食嚥下という言葉をお聞きになられたことがあるでしょうか?
摂食嚥下とは一言で表すのは難しいのですが、
摂食とは、食べ物を口に取り込み、噛み砕いたり押しつぶし、飲み込んで胃の中に送り込む一連の流れのことを言います。
嚥下とはその後、食べ物を飲み込み、胃の中に送り込むことです。
この二つを合わせて摂食嚥下と言います。

その一連の流れの中で、何かエラーが起こると、むせ込んだり、つまらせてしまったり、肺炎(誤嚥性肺炎)を起こしてしまったり等の問題が生じてしまいます。

今日はその摂食嚥下の流れについて簡単にですがご説明させていただきます。
摂食嚥下の流れにはいくつかの説がありますが、よく使われている5期モデルで説明いたします。

主に働く組織の活動を基準として、
先行期・準備期・口腔期・咽頭(いんとう)期・食道期
と5つに分けられます。最初の2つが摂食、後の3つを合わせて嚥下といいます。

●先行期とは食べ物を目に見て、口に取り込むまでの段階です。そもそも食べ物であるかどうか、一口の量はどれぐらいにしたら良いか、どれぐらい強く噛む必要があるか、好き嫌いなどの判断を行います。動作としては、スプーン等の食具(しょくぐ)を使用し、切り分けて口に運びます。

●準備期とは食べ物を口の中に取り込んだ後、形や大きさ、温度、舌触り等を判断し、噛むことが必要であれば歯で噛んだり、舌で押しつぶしたりして嚥下可能な食塊と呼ばれる状態にします。

●口腔期とは準備期で出来た食塊(しょっかい)を口の中から喉へ送り出す時期のことです。

●咽頭期とは咽頭に送り込まれた食塊をごっくんと飲み込み食道の中に入れる時期のことです。わずか1秒未満の時間にたくさんの筋肉の運動が起こっています。

●食道期とは食道に入った食塊を胃まで送り込む時期のことを言います。
蠕動(ぜんどう)運動と言われる順番に食道が締まることにより送り込まれています。

以上が摂食嚥下の5期となります。文字にすると難しいですが、実際は無意識に行っていることなので、食事中にこんがらがったりはしませんね。

この流れのどこに問題があるのかを診査して、リハビリやお食事の指導をさせていただき、少しでも安全・。おいしく食事をする手助けをさせていただいております。

お食事に困難さを感じられた場合や、身近な方にお困りの方がいらっしゃいましたら、ぜひご相談くださいね。

監修者情報

院長・歯科医師

安東

義政

平成2年6月 医療法人社団歯友会赤羽歯科 上尾診療所勤務
平成16年11月 医療法人社団歯友会赤羽歯科 口腔外科室 院長就任
平成26年4月 医療法人社団歯友会赤羽歯科 上尾診療所 院長就任

当院では、美味しく食事を楽しむという本来の機能回復はもちろん、エステティックな悩みや相談、インプラントなどの先進技術、高齢者の方々への歯周病のメンテナンスにも対応しています。大規模医療グループならではの症例経験とデータに基づく納得と安心の診療を提供します。
小さなお子さんから高齢の方まで安心して通っていただけるよう、幅広い診療メニューに対応しています。お口のトラブルやお困りごとがあれば、当院へお気軽にご相談ください。