お知らせ

誤嚥性肺炎とは?

2020.7.22

現在、コロナ禍の状況の中で新しいとはうたっているもののまったく今までとは違う生活様式に不安と戸惑いを感じながらの生活に精神的にもストレスも限界近くになっている人も多いのではないでしょうか。できるだけ早期の終息を願ってやみません。
さて、今回は急速に進む超高齢社会で高齢者の間に起きる誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)というものの話を簡単にしたいと思います。もうすでに十分に社会に知れ渡っているのでご存じの方は多いとは思いますが。まず当たり前ですが鼻から吸った空気は喉(咽頭、喉頭部)を通ってそこにつながっている気管を通って肺に至ります。咀嚼した食物は口(口腔、こうくう)からやはり喉を通って気管の入り口の脇をギリギリかすめ通って食道を通り胃に入ります。普通、息は鼻からします。(口呼吸といって口ですることもありますが) 食事は口からします。(この場合鼻から食事をする人はいないでしょう) そして息と食事の通り道は喉のところで合流、交差してそれぞれ気管と食道に行きます。(交差するというある意味ザンネンな臓器の配置になってしまったのは魚類が陸に上がって鼻孔の位置と浮袋が肺に進化した過程に関係あるようです)咀嚼した食物を飲み込むことを嚥下(えんげ)といいます。この時食物が食道に行かずに間違って気管に入ってしまうことを誤嚥といいます。気管への通り道と食道への十ロ道が交差していることがそれを起こしやすくするのでしょう。あの気管に入ってしまったといってむせるやつです。経験のない人はまずいないでしょう。ところでオーラルフレイルという言葉をご存じでしょうか。フレイルとは加齢などによる身体的機能の衰えのことを言います。オーラルとは口腔のことです。オーラルフレイルとは嚥下を含めた口腔機能の低下のことです。高齢の方はこれにより嚥下の機能が低下していることが多いと思われます。若い人よりも誤嚥しやすいのです。反射機能も低下しています。若い人であれば米粒一つでも気管に入れば顔が真っ赤になるくらいむせかえりますよね。その反射がご高齢の人は低くなっていることがあるのです。そして、それに気づかず細菌を含んだ食物が肺に達すればそこで細菌が繁殖します。そして抵抗力のないお年寄りは肺炎を起こしてしまいます。誤嚥性肺炎です。オーラルフレイルが大きければ大きいほど誤嚥の可能性は高まりますし、食塊に細菌が多ければ多いほど肺炎のリスクは大きくなります。そのためにわれわれは口腔内の衛生環境の良好な維持(清潔に保つ)が必要なのです。そしてフレイルのリハビリが必要です。さらにオーラルフレイルも口腔内衛生も全身的な疾患とも大きく関わっていることが報告されているのです。コロナウイルス肺炎も大変な脅威ですが誤嚥性肺炎も致命的な状況になりうるのです。
というわけで歯科では歯だけではなく全身にも関連した口腔全体の機能にも関わっているのです。歯科の認識を少し新しくしてもらえれば幸いです。なお、東大宮診療所には口腔機能を専門とした摂食嚥下機能という分野で博士号を取得してそれに携わっている歯科医が在籍しております。
                                 東大宮 院長 勝田宏一